「蜂の巣」の感想ですよ。遺体はヒトかモノか?(追記あり)

峰倉かずや先生の「蜂の巣」(一迅社刊)の感想です。限定版を購入したので、コミックス+ドラマCD両方の感想ですよ。
未見で先入観に捕らわれたくない方は、当記事はスルーしていただいた方がよろしいかと思います。さらに、目線が完全に恩田にゃんに行っちゃってますので、非常に偏った内容になっております。予めご了承くだされ。


っというわけで、まずは原作コミックスの感想から。


近未来の東京あたりが舞台。

「二十世紀初頭に起きた関東地方の大震災により名古屋に遷都」という設定の作品。

初出が十数年前とのことですが、「東日本大震災」直後というタイミングでの出版には相当気を遣ったのではないかと思われます。

巻末の後書きを読んでいただいて、出版意図をご理解ください、といったところでしょうか。

私は決して不謹慎とは思わなかったですけどね。



さて、内容。

治安の著しく悪化した近未来の東京では、活きのいい遺体から臓器を抜き取り売買する「臓器荒らし」が横行。

そういう連中から「ご遺体=お客様」を守り無事ご遺族の元に送り届けるため、保健所に所属する、右眼眼帯の男・山崎裕介と、壮年の男・陣内馨が葬迎車を操り「葬迎員」として働いている。銃携帯許可有。

…といった感じ。


設定上、「ご遺体」を中心に、その生前の人生や遺族の心情に触れる内容となっておるです。

亡くなってほやほやのご遺体を自宅まで無事にお届けする仕事なので、愛する人の死に直面して現実を受け入れられないご遺族とも向き合わなければならず…。




自分を残して逝ってしまった恋人の死を受け入れられない女の子。

新婚ホヤホヤで若妻を失った男が後追い自殺をしようとし…。

亡くなったおかあさんと「交換」するため、パチンコ玉を集める少女。

死後の自分の遺体を臓器荒らしに売って、不肖の息子のために現金を残そうとした父親。

やくざの抗争(笑)。

なんとなく死のうとしてる女子高生。

死んだザリガニを葬(おく)るために葬迎車を使おうとする少年…。



それぞれに亡くなった事情は様々ですが、誰にでもありそうな普通の「死」に纏わるエピソードです。あ、やくざの抗争は滅多にないか(苦笑)。

ひょっとしたら、どれかのエピソードに感情移入される方もいらっしゃるかもしれませんね。

ヘビーなシチュエーションが続きますが、主役コンビの掛け合いがユーモラスで、救われるというか。



ビジュアル的には「葬迎屋」と「臓器荒らし」とのドンパチが見所の一つ。

「ご遺体」を挟んでの銃撃戦だの、乗せたままのカーチェイスはさすがに現代では非現実的(爆)。

この時代、こういう犯罪が社会問題になるなら、病院と火葬場を隣接させちゃえばいいじゃん、とか思っちゃった。

そうすれば、臓器荒らしに襲われる危険性もぐっと低くなるわけで。

そうなると「葬迎屋」の仕事がなくなっちゃうけど(笑)。



な~んてこと言ってたら、ひょっとしたら、近未来、お葬式の形態が変わってくるかもしれません。

自宅へお届けできないご遺体は、病院に隣接された斎場で葬儀が営まれ、そのままそこの火葬場で焼かれることになる、と。

その発展型で、自宅でのお葬式を執り行う形式が少なくなってくるかも。

ていうか、既にそういう状態に近いですよね、葬祭場での葬儀が多くなってきてるし。

それが法的に義務づけられるようになるか、というのが、現代と、私が思う近未来との違い。

人の生にしろ死にしろ、古くからの慣習を切り捨てて義務的に簡略化されるようになる時代が来るかもしれません。

むしろ、「蜂の巣」の時代より早くそういう“流れ”は来るかも…。



ドラマCD。

実は、自分としてはむしろこちらの方がお目当てだったりして(笑)。

メインキャスト

山崎裕介・小西克幸

陣内馨・中村浩太郎

恩田憂・森川智之

漆原(恩田の腹心)・三宅健太



キャスト表を読んで声のイメージを頭の中に描きつつコミックスを読み、改めてドラマCDを聴く。

…が正統派の楽しみ方かなぁ。

でも、そういう「お作法」が待ちきれない私は、本を購入した帰りの車の中、CDを大音量で聴きながら爆走しましたよ(笑)。

変な笑い顔で運転する気持ち悪いおばちゃん。


で、内容。

山崎&陣内コンビと恩田にゃんとの初顔合わせな話。

ゆる~い感じの飄々とした山崎と、枯れた渋い感じの陣内のかったるいコンビが絶妙(笑)。

こにたんのめんどくさそうな感じがグッドでーす(笑)。

聴いてて「いいなぁ。」と思ったのは、陣内さんの「ご遺体」と言うところ。

年配の方がこういう言葉=ご遺体と言うと、なんか気持ちが籠もって聞こえますね。

重みと温かみを感じるっていうか。



さて、ドラマCD絡みの登場人物といえば、私イチ押しの恩田憂(笑)。

ぶっちゃけ自分的真打ち登場(爆)。

人身・臓器売買組織の総元締で、主役二人に敵対する立ち位置の人物ですな。

チャラい容貌と、「…にゃあ。」とか「…にょろ。」といったふざけた言い回しが語尾につくのでイマイチ悪の親玉感が感じられませんが、結構なキ○ガイキャラ。

そんなわけで、CDの方は恩田にゃん登場シーンからばっかりリピートしてる(爆)。

恩田にゃんの声のイメージがですね、あの「…にゃあ」「…なり」という緊迫感のない口調とチャラい風貌から、かなりの超高音ボイスを覚悟してたんですよねぇ。

ところが、いざCD聴いてみたら…

めっちゃ工口す~(爆)!!!

普通にイケメンボイスじゃんっ!

全然普通にいい声してるじゃ~んっ(狂喜乱舞)!

一番印象に残っているのは、タクシー運転手に行き先変更を告げる時の、

「んふふ。(新宿御苑に)向かって

なんちゅう工口ボイス(爆)。

破壊力満点ですがな。

お陰で、聴きながらのドライブがにやにやしちゃって、対向車の運転手はさぞかし気持ち悪かったことでしょうよ(爆)。

最近、通り道での取り締まりが多いので、銃撃戦やカーチェイスのシーンの時に通りがからなくて良かったです(笑)。

私、大音量で聴く方なので、銃声なんかが車外に漏れ聞こえでもしたら大変でしたよ。


今回、一番の聞き所は「豚骨ラーメンの歌」()。

じゃなくて、葬迎屋vs臓器荒らしの初対決シーンですね♪

「葬迎屋」のふたりを「ネズミたん♪」と呼んで小馬鹿にする恩田にゃんに萌え(笑)。


恩田にゃんの論理っていうのが「遺体はヒトじゃないにゃあ。ただのモノなんだにゃあ。」

彼の主義主張に「倫理が伴っていない」と嫌悪感を露わにする陣内さん。

陣内さん「死体に群がるハエ野郎(=臓器荒らし)どもより、ネズミの方が百万倍ましだろう。」

恩田にゃん「ハエは可愛くないにゃあ。せめてハイエナさんって言ってくんない?

ハイエナさんはみんなに餌をわけてあげるために、一生懸命“狩り”をしているのでぇす。

だから、新鮮な臓器を取り出して、それを必要としている人に分けてあげるなり。」



それのどこがイケナイの?

という…。



恩田にゃんの主義主張。

極端だけど、彼の「遺体はモノ」だと言う考えには共感できる部分も。

私は亡くなった人の体=ご遺体は「魂の抜け殻」だと考えているので、いらなくなった「モノ」を有効利用しようという主張にはあまり拒否反応はないですね。

ただ、違法な手段で臓器を荒らして売買し、利益を得ようというやり方が犯罪行為であるというだけであって。


私自身の体は、死んだら「モノ」として扱って欲しいにゃあと思っておるですよ。

鯨か「幸福の王子」並みに余すところなく使いきって欲しいな。

生きてる間は、誰かのため、何かのために役立つことがなかった分、死んでから人様のお役に立ちたい、と思うことはいけないことなのかな。

これは自分自身の「死後」に対する答えであって、家族や他人には当てはまらないですよ。

ってことは明記しておかないとね(笑)。

でないと、これ読んでる家族が「自分も解体される!」って慌てだすから(爆)。



葬送の儀式は、死者のためではなく残された者が別れのけじめをつけるために執り行うもの。

と、どこかで耳にしたことがあります。

現代の冠婚葬祭事情。

不景気も相まっていろいろ合理化、簡素化されてますが、葬儀に関する一連の仕事がなくならないと思うのは、やっぱり「お別れの儀式」が残された者にとって必要だからじゃないですかね。



本書は短編連作ながらそれぞれうまく纏められていると思います。

一本毎のページ数が少な目なのが物足りなかったかなぁ。

遺族目線に語られているので、「ご遺体」そのものの描写は控えめ。


もっと、「ご遺体」そのものに絡んだ話も読んでみたいかな。


本書の後半は「アルカナ」というアンソロジーの峰倉さん部分だけ収録なのかな?

一本目が恩田にゃんとウルたん(漆原)♪との出会いのエピソードで、想像力がかなり萌える~(笑)。

も~、葬迎屋差し置いて、こっちコンビでスピンオフしてくれないかな(暴言)。



さて、今回出版されたコミックスは、山崎&陣内コンビのお披露目…感の強い入門編みたいな短編集でしたが、続刊あるんでしょうねえ?

ドラマCDの出来の良さも加え、もっと多角的に展開してもいいんじゃないの?

本編コミックスからのドラマCD、なんならオリジナルDVD。キャラソンあり~の、ライブあり~の、ライブDVDリリースし~の。

…って、まんまWAの路線を踏襲して欲しい感満々ですが(爆)。

山崎のめんどくさくてかったるいぜ…っぽい歌い方とか、陣内さんの枯れた感じにも萌え。

恩田にゃんのキャラソンとか、あの工口ボイスでどんな感じの楽曲になるんだろう?とか妄想しちゃったり(笑)。


恩田にゃんに対する思い入れというか、閃き妄想。

恩田にゃんは自分を「ハイエナ♪」に例えてたけど、私としてはとことんワルいキャラクターに徹して欲しいので、「カラス」をイメージする感じで作ってくれないかなぁ、と。

カラス。

草食動物を食い殺す肉食動物。動物の死骸に集るハエ。動物の死骸を啄むカラス。

これらの場面を目撃した時、生理的に耐えられなかったのは、私の場合は「カラス」。

ライオンが顔中血だら真っ赤にしてシカを貪る映像(生の現場には立ち会えないので)もショッキングだし、動物の死骸にびっしりと集ったり飛び回ったりするハエも正直込み上げてくるものがあるです。

でも、本能の部分で「うえっ」ときたのは、道端で子犬か猫の死骸を啄んでいるカラスを目撃した時。

画づらとしては、一番小ぎれいで耐えられるんですが、なんていうんだろう…。

多分、カラスの知能指数がこの中では一番高いから…なんじゃないかな、と。

カラスって、物凄く賢いんですよね、確か。

「ものの考え方」がライオンやハエよりも人間に近いから、まるで人間が死体を食らってるように感じてしまったのかもしれません。


で、恩田にゃんにはそのくらい残虐非道なコトをやらかして欲しいなと希望。

現実ではありえないこと、あってはいけないことなので(だって、人身・臓器売買…!)、架空の世界で思いっきりヤっちゃってちょーだい、みたいな。




キャストトークはある意味森川さんの独壇場。

もともと仕切りよりも茶化す系の人なので、いろいろウザくて進行役のこにたんを困らせてる(笑)。

本当にライブで「豚骨ラーメンの歌」、披露してくだされ(爆)。




どうでもいいけど、私が好きになる二次元キャラって、人身売買とか大量殺人とかそういう危なっかしいのにかかずらわってるキャラが異様に多いんですよね…。

さらに言うなら、この手のキャラには「男性脳」の方が惹かれるので、ウルたんのポジションに憧れるという(苦笑)。



追記

ええと、下の方でコメントをいただいている、りーこ様も「蜂の巣」に関する記事を書いておられます。
こう言っちゃなんですが、ここのブログ主との共感ポイントが激多((爆)!んなので、ぜひそちらの方の記事も併せて読んでいただければ、「蜂の巣」の世界がより楽しめるのではないかと思います

こちらでございます。 http://blog.livedoor.jp/morimorihirarin-return/archives/5504610.html#


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以下、森川キャラつながりでWILD ADAPTER移籍&新装版出版記念バナーを貼り付けちゃる(笑)。

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この記事へのコメント

りーこ
2011年08月13日 20:07
kitさんこんばんは♪ 初めてお邪魔致します。
「蜂の巣」記事がアップされていたので寄らせていただいたのですが…読み応えのある内容で考えさせられたり感心させられたり、
その合間に「向かって♪」のことを熱く表現されていて笑わせていただいたり、と楽しませていただきました!

ホント、キャラソン案いいですね!
私もその案に1票です☆
是非そこまで展開してくれる作品になるといいですよね♪
2011年08月14日 13:28
りーこさん、ようこそいらっしゃいませ!
なぜここがわかったんだろう、検索?って一瞬思ったけど、実は私の方がURL入れてたんですよね(忘)。
記事の方、お褒めいただきありがとうございます
当記事へおいでいただいた方の中にはりーこさんの記事からの方も多く、大変恐縮しております。
お返し…といってはなんですが、当記事に追記でりーこさんの記事へのリンクも張らせていただきました。
さらに図々しくTBまで飛ばしてしまいました(滝汗)。
事後報告になってしまってごめんなさいね。
もし、不都合があるようでしたら、すぐ削除しますので、お手数をおかけしますがご連絡ください。よろしくお願いいたします
こんな地味な活動ですが(爆)、少しでも「蜂の巣」が展開していけたらいいですね
りーこ
2011年08月14日 19:48
kitさん、こんばんは~。
たびたび失礼します。
いや、リンクの御礼だけでもさせていただかねばと思いまして…(汗)
お気遣いいただき恐縮です! 嬉しいですっ。
kitさんの記事に比べたら「あのセリフの言い方が素敵~!きゃーv」とかしか書いてないブログで…しかもブログ自体の内容がアレなんで、こちらにご迷惑など掛けなければいいのですが…(^^;)
でも今後ともお気軽にお暇つぶしにでもお越しいただければと思っております♪

ところで。TBありがとうございます!
当ブログ、コメントもTBも大歓迎なんですが、こちらもどうもTBに関しては不安定みたいで…。
もしご面倒でなければもう一度挑戦してみていただけると嬉しいです(>人<)

ではでは、「蜂の巣」の(そしてスピンオフ「蜘蛛の巣」の・笑)ますますの発展を願いつつ…♪
2011年08月14日 21:09
おお~!TB飛ばせた(爆)!
りーこさん、ご連絡ありがとうございました(嬉)
最初のは不安的中、失敗しちゃったんですが、再挑戦したら今度は成功しました
何か私の方がくどいくらいにリンク張ってて申し訳ないです
うちのブログは身内も見てるんで(爆)、りーこさんのところで私の思いのたけが代弁されているようで、むしろありがたかったです~

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